コラム

No.8 今年も安全な町を目指して (2015.1.20)

 2015年の新年を迎えました。今年も自主防災会の皆さんの力によって、安全な町・七国四丁目となりますよう心から祈るところです。

 

 昨年、全国各地で集中豪雨による大規模な土砂崩れ被害をはじめ、火山噴火災害、台風1819号被害、長野県北部の震度6弱の地震など、大きな自然災害が発生しました。また、昨年末から年当初にかけて住宅火災が各地で発生し、お年寄りを中心に多数の犠牲者が出ていると連日報道されています。さらに、山岳地帯では遭難事故、雪崩による死傷事故が発生しており、新年の冒頭から自然災害の怖さが身に染みる思いです。

 

 皆さんご承知の通り、117日はあの「阪神淡路大震災」(死者6,434人、倒壊建物約25万棟)から20年目となりました。こうしてみると、日本列島は常に様々な自然災害発生の危険を背負っている国土だとつくづく感じます。しかしながら、神戸市関連の報道によりますと、既に震災体験者は現在の市内居住者の50パーセントを切り、徐々に防災意識が薄れつつあるとの声も聞かれるようです。極めて残念なことですが、防災意識の風化現象が危惧されています。「災害は忘れたころにやってくる」という、物理学者で随筆家でもある寺田寅彦氏(17871935)の警句をないがしろにできないとあらためて思いました。

 

 ところで、20139月に発表された東京都の「地震に関する地域危険度測定調査(第7回)」(東京都において概ね5年ごとに行われている調査)によりますと、七国四丁目地区は東京都内全調査対象5,133町丁目のうち災害時活動困難度を考慮した総合危険度5,061という結果でした。しかしながら、この数字は私共の地域が決して安全であると保証したものではありません。単に他の地区との比較にすぎないと理解した方がよいと思います。学界でも行政においても、東京都がいつ大規模な地震に見舞われてもおかしくない状況といわれています。地震をはじめ、津波、台風、集中豪雨そして竜巻などの自然災害そのものは人間の力で防ぐことはできませんが、その被害を少しでも少なくすること、死傷者を減らすことは地域の皆さんによる日頃からの備えや相互の協力によってできることなのです。七国四丁目自主防災会主催の防災訓練に参加してみる、消防署など防災機関の職員の話を聴いてみるなど、今年は1回でも経験、体験していただけることを大いに期待しております。住民の皆さん一人一人の小さな備えや努力が、町全体の大きな防災力になると思います。防災は他人事ではなく、他人任せであってもいけません。自ら取り組む日常生活の一端のものであることを理解して、少しずつでも進めていくことが真に大切なことなのです。新年に当たり自助・共助の重要性を是非皆さんの心に刻んでいただきたいと思います。

 

 これから、日本はどんどん高齢化社会が進んでいきます。そこで、地域の若い方々にも防災に関心をもって、町の中心となって手を出していただき、さらなる安全・安心に向けた斬新なアイデアを提案してもらえるような七国四丁目に育っていくことを望んでいます。小さな個々の力が結集することで、大きな災害対応力へ育っていくことをご理解いただきたいと思います。

 

          (自主防災会アドバイザー 秋山 惠)