コラム

No.23 除雪対策について (2018.1.28)

 この冬は大陸からの強い寒気の影響により、特に寒い日々が続いています。また、22日には東京でも大雪となり、八王子消防署の観測では約30センチの積雪を記録しました。七国四丁目ではそれを超える積雪となった場所もありました。当日は皆さんのご家族にも帰宅に大変なご苦労をされた方も多かったものと思います。また、当夜から翌日にかけてご自宅の前などの除雪に当たっていただいた方も多く、早い段階で住宅内道路のかなりの部分で歩行に支障ない状況となったようで、皆さまのご尽力に感謝を申し上げます。


 しかしながら、早期の除雪がされなかった場所ではここのところの低温で凍りついてしまい、車両の運転や歩行に極めて危険な状態となっている部分も見かけられます。八王子市は降雪頻度やその量が東京都内でも多い地域ですので、何よりも早い除雪が肝要かと思います。降雪も早期であればまだ軽く、移動しやすいものですので、可能な限り各ご家庭での迅速な除雪作業に配意していただきたいと思います。ただし、屋根からの落雪や転倒防止には十分に注意され安全な作業を心がけてください。そのためにはご近所同士声をかけ合いながら、複数の皆さんによる共同作業が安全だと思いますし、ご高齢の方のみのご家庭の除雪にも大きな援助になるものと考えます。


 消防署では、降雪が予想される際に消防車や救急車のチェーン着装を早めに行って、消防活動、救急活動の万全を期していますが、道路が積雪状態のままであると、どうしても到着時間や活動開始時間に遅れが生じてしまいます。そのような趣旨からも、早めの除雪には大きな意味があることをご理解いただいきたいのです。


 なお、降雪時の転倒事故などの実態をみてみますと、降雪当日よりも翌日以降の方が怪我による救急要請が多い傾向にあります。22日の降雪でも23日以降、凍結した道路での転倒受傷による救急要請が多くなったとの東京消防庁の報道発表がありました。このような事故を防ぐためにも、早期の除雪はもちろんのこと、翌日以降、ご自宅周辺にたまっていた雪を道路にばらまくことが非常に危険であることを理解してもらいたいものです。つまり、ばらまいた雪が即溶解してしまえばいいのですが、この冬のような低温が続きますと再度凍りついて転倒事故が起こる可能性がありますので、特にご留意ください。

自主防災会アドバイザー 秋山 惠(東京消防庁OB・消防大学校客員教授)