コラム

No.21 スポーツの秋と事故防止 (2017.9.6)

 赤とんぼが庭先を飛び交い、夜の虫の音(ね)も賑やかとなって、秋の気配がより感じられる季節となりました。そこで、秋のさわやかな空気の下でいろいろなスポーツを楽しまれる皆さんも多いことと思います。七国四丁目の周辺でもウォーキングをはじめ、球技やジョギングに励む方々をよく見かけます。この時季、体力増進に努めることはとても良いことですが、車を運転していると、突然交差点に走り込んでくる人やボールを追ってくる子供、スケートボードに乗り急カーブしてくる子供らがいて、ハッとさせられることもあるところです。七国四丁目内では自家用車のみならず宅配トラックやコマーシャルカーなど、車の出入りも多いことから人と車の衝突事故などが起きないよう、周囲の状況に気を配り運動を楽しんでいただきたいと思います。


 また、道路上で野球のバットやテニス、バトミントンなどのラケットの素振り複数人でのゲームを行っている方々も時折見かけます。交通量が少ないとはいえ、長年消防の仕事に携わってきた私には、こうした行為が極めて危険を伴うものであると感じてしまいます。かつて、救急事故として聞いた事案は、多摩地区の某商店の従業員が、店先でバットの素振りをしていたところ、ちょうど通りかかった女子学生の顔面を直撃し、歯の大部分を折損し顔に大きな傷痕を残す大事故となったとのことです。このような事故は最悪死亡事故にもなりかねません。スポーツを楽しむことは大いに結構なことですが、スポーツ種目に応じた場所、環境を選んで安全に実施することが、スポーツマンとしての当然のマナーであり、基本的に道路は遊技をするところではないことを、大人も子供もしっかり理解すべきであると考えます。

 

 仮に、このような大きな事故を発生させてしまうと、加害者の刑事責任はもとより、高額な損害賠償請求など、法的な問題にまで発展してしまいます。スポーツとはいえ、その危険性を認識するとともに、危険な場合は他者でも遠慮せず注意を促すなどして、事故の発生で住民同士が気まずい関係となってしまうことのないよう、日頃からお互いに気配りをすることが大切だと思います。


 以前、「防災は思いやり」当コラム No.4 で記しましたが、前述のような日常ありがちな事故も周りの人へのちょっとした思いやりをもって防ぐことができるものと、改めて感じております。

 

自主防災会アドバイザー 秋山 惠(東京消防庁OB・消防大学校客員教授)