11月9日(日)から15日(土)まで、全国的に「秋の火災予防運動」週間となります。これから寒い季節を迎え、暖房器具をはじめ火気を扱う機会が多くなることから、住民の皆さんや企業の方々に、火災予防の意識を一層高めていただく目的で行われる運動です。
また、この時期は石油ストーブなどの暖房器具が久々に使用されることから、取扱いミスによる火災事故も多くなる季節でもあるのです。物置などにしまってあった暖房器具は使い始める前にしっかり点検をして、安全に使用できるよう準備をしていただきたいものです。
ところで、昨年(平成25年)1年間で、東京消防庁管内(稲城市、島嶼部を除く東京都内全域)で発生した火災は5,191件で、このうち住宅(共同住宅を含む)火災は1,777件でした。また、火災による死者は77人(自損を除く)発生し、住宅火災で亡くなった方は72人となり、火災による死者の93.5%が住宅火災によって発生していることとなります。これは、社会全体の高齢化が一つの要因ともなっているようです。
一方、火災原因についてですが、放火が1,622件と未だに1位で、火災件数全体の31.2%を占めています。そして、一昨年に比較して増加傾向にあるのです。先般も、多摩市内で建築中の住宅が連続放火によって多数焼失したことは、皆さんもご存知のことと思います。この放火犯人はまだ逮捕されておりません。
ここで、八王子市内の火災状況についてみてみますと、昨年は226件発生しました。火災原因のトップも放火で101件発生しました。44.7%が放火ということとなり、都内全体の平均(31.2%)よりかなり高い数値となります。ちなみに、自動販売機などへの放火も多かったようです。
このような放火を防ぐには、「自らの町は、自らの手で守る」という地域ぐるみの意識を育てていくことがとても大切です。ご自宅の周りに不要な可燃物を置いていないでしょうか。枯れ草が刈り取られずにそのままになっていませんか。また、ゴミの収集日の前夜に早めに外へ出してしまう、といったことはないでしょうか。放火犯は放火した理由として、「イライラして、むしゃくしゃして火をつけた」とよく供述しています。通りがかりに目についた可燃物に火をつけて歩くという行動が多いといわれますので、ご自宅の周囲はいつも整理、整頓して、放火犯には決してスキを見せない町にしたいものですね。
秋の火災予防運動の機会に、ご自宅の消火器や住宅用火災警報器(特に電池)などのチェックも行い、皆さんお一人お一人の手で火災や災害に強い町づくりに努めてまいりましょう。
(自主防災会アドバイザー 秋山 惠)