今から 97 年前の大正 12 年(1923 年)9 月 1 日 11 時 58 分頃、関東地方南部を震源とするマグニチュード 7,9 の「関東大震災」が発生しました。東京府(現・東京都)では震度6の揺れに襲われ、関東一帯では東京及び神奈川県を中心に死者・行方不明者が約 10 万 5 千人、全壊家屋約 10 万 9 千棟、全焼家屋約 21 万 2 千棟の大災害となりました。当時は燃えやすい家屋が多かったこともあり、死者のうち約 90%は焼死であり、本所・陸軍被服廠跡地(現在は JR 両国駅北側にある東京都慰霊堂周辺)では火災旋風が発生し約 3 万 8 千人の避難者が焼死しました。
この地震は多くの家庭で昼食準備中の時間帯に起きたことから、各地で火災が発生し多大な人的被害となったもので、地震直後の初期消火が如何に大切かを物語っています。ちなみに平成 7 年(1995 年)1 月 17 日に発生した「阪神・淡路大震災」では、家具などの転倒による圧死者が多く発生し、日頃から家具等の転倒防止措置を行っておくことの重要性を示しました。
今、我が国はコロナ禍に覆われ、全国各地で例年の防災訓練や防災講習会などが実施できない状況にあります。私たちの『七国四丁目自主防災会』でも定例の会合や活動が春先からストップしたままの状態で、防災訓練の計画なども立てられない現状ですが、一方で「首都直下地震」や「南海トラフ地震」などの大規模な地震がいつ発生してもおかしくないともいわれています。また、これからは台風シーズンを迎えますが近年の台風は地球温暖化の影響もあって、大型化しやすい傾向にあることが皆さんにも感じられるようになったのではないでしょうか。
そこで、防災会会員の皆さんには地震などの自然災害の怖さを思い浮かべて、ご家族間でハザードマップの確認、避難方法や家族相互の連絡方法などについて、改めて話合いの場を設けていただきたいところです。また、ご家族の人数に応じた非常食・飲料水の備蓄をはじめ、医薬品、照明器具、ラジオ、バッテリーなどの非常持出品も再チェックをしていただき、不足しているものについてはこの機会に補充しておくなど、新型コロナウイルスの感染予防対策を継続することはもちろんですが、「防災の日」に臨み地震、台風など自然災害への備えも忘れることなくしっかり行ってもらいたいと思います。
七国四丁目自主防災会・アドバイザー 秋山 恵
(東京消防庁OB・消防大学校客員教授)