コラム№31 令和2年4月23日
新型コロナウイルス感染対策について
新型コロナウイルス対策として「緊急事態宣言」が出されて2週間が経過しましたが、東京都では日々の感染者が100人を超えており、まだまだ収束に向かうとは思えない現況です。「緊急事態宣言」では特に不要不急の外出自粛が叫ばれており、都心のターミナル駅周辺などでは、自粛の浸透傾向がみられてきていますが、商店街をはじめスーパーマーケットなどでは買い物客の減少どころか、増加しているところもあるとのことです。
七国四丁目周辺のスーパーマーケットやコンビニなどにおいても、普段より買物客が多いのではないでしょうか。また、コンビニのレジを待つ人々の列も、客同士の前後の間隔が十分にはとられていない状況も散見されました。さらに、住民同士がマスクを着用せずに長時間立ち話をしている場面にも遭遇しました。国、自治体、マスコミでは「三密」の防止を連日呼びかけてはいますが、市民には未だ感染症に対する警戒心や危機意識を感じていない面もあるようです。
このような市民の感覚の中で、医療機関では過去にない緊迫した現状に直面しています。感染者の増加により医師や看護師、検査技師などの医療関係者は、医療資器材が極端に不足する中、自らの感染危険に日々恐れながら、命をかけて医療活動に当たっています。私の姪も某大学病院の看護師として働いていますが、私の妹は「毎日、娘を戦場に送り出すような気持ちになる」と話をしていました。また、消防署の救急隊の中には、感染の可能性がある傷病者の搬送を多くの病院で拒否され、10時間余りもかけて100カ所を超える病院へ連絡をとった事例もあり、このような救急対応はさらに増えているとのことです。
まだ、他人ごとのように「自分はコロナに感染していない」とか「長い期間の自粛は耐えられない」などといっている人がいますが、もし病院や救急隊がコロナウイルスによって機能できない状態となれば、通常の診療をはじめ迅速な緊急搬送が不可能となり、市民の日常生活が成り立たなくなるのは明らかです。
日本の感染防止対策は今後が正念場といわれています。一日も早い日常生活を取り戻すためには、買い物の回数を減らしレジでは前後の間隔を空ける、他人との会話はマスクを着用し短時間で済ます、行楽地などへの訪問や遠距離移動は控えるなど、各人がしっかり警戒心をもち自制ある行動をとることが最善の感染拡大防止対策です。皆様の知恵と行動でコロナウイルスを一刻も早く撃退しましょう 防災会アドバイザー 秋 山 惠(東京消防庁OB、消防大学校客員教授)