いよいよ12月に入り、火災の発生しやすい季節となりました。皆様のご家庭におきましても、あらためて普段からの火災予防のチェック、特に外出時やお休みの前に、もう一度火の元の点検をされますようお願いしたいと思います。
先に、東京消防庁管内の今年上半期(1月~6月末)火災状況の資料を入手しましたので、主なポイントをお知らせしたいと思います。
火災件数は2,706件で前年(平成24年)の同期間と比較して41件の増加となっています。焼損床面積も16,075㎡で、これも前年同期間に比べ1,540㎡の増加となっています。暦の上で今年は「三の酉」までありますが、昔から「三の酉」まである年は火事が多いといわれています。この関連につきましてはよくわかりませんが、古い云われのとおりの傾向を示しています。ただ、火災によって亡くなられた方は58人で、19人の減少とはなっていますが、多くの方が火災の犠牲となっているのは事実ですので、お互いに十分気を付けたいものですね。
ところで、火災の主な原因にはどのようなものがあるか、皆様ご存じでしょうか。ここで、都内上半期の出火原因について説明させていただきます。最も多いのは「放火」の858件で、前年同期と比べて71件増加しています。全火災の31,7%が放火によるものとなっています。続いて「たばこ」が428件(前年同期比75件増加)、「ガステーブル等」が209件(同5件増加)となっており、例年の火災原因の順位は変わってはいませんが、それぞれの件数は増加しており、大変心配な状況にあります。
ここで、「放火」について説明させていただきますが、昔は火災保険金詐取のためといった放火行為も多かったようですが、近年の放火犯人の動機を調べてみると、ほとんどが「イライラして」とか「ムシャクシャして」というように、特にその家に恨みがあるわけでもなく、自分のうっ憤晴らしのために行われているのがほとんどです。そこで、こうした放火被害を防ぐためには、ご自宅の周りの放火されやすい物を整理して自衛するしか、効果的な方法はないようです。放火されやすい対象としては、車やバイクのシートカバー、家の前などに置かれたゴミ袋などです。
私たちの住んでいる地域では、定期的なゴミの収集が行われていますが、収集日の前夜から置いておくことが最も危険なことと思います。私も朝早く、この時期では暗いうちに出勤するのですが、前夜に置かれたと思われるゴミ袋やゴミ箱をよく見かけます。収集日当日の朝、明るくなってからゴミ出しをすることで、放火行為を防げることも多いと思います。放火犯の心理をくすぐらないような配慮を皆様にお願いしたいところです。
火災期に入り、七国四丁目の皆様全員で、地域から火災の原因になると思われる要素をチェックして、安全、安心な街づくりに取り組みたいものですね。
(自主防災会アドバイザー 秋山 惠)