みなみ野5丁目の「栃谷戸公園」では梅の花が見頃となり、春の兆しが少しずつ窺えるようになりましたが、まだ風の冷たさを感じる時もある今日この頃です。今年は年初から全国各地で大きな火災のニュースが報道されており、特に住宅火災では多くの高齢者が犠牲となっています。皆さんには決して油断することなく、外出の際やお休み前にもご家庭の火の元チェックをしていただきたいと思います。
さて、3月1日から7日までの1週間、「春の火災予防運動」が全国的に実施されます。台所のコンロ周辺はもちろんのこと、電気、ガス、暖房器具、たばこなど、火災の種は家庭の中にもたくさん存在しています。さらに、住宅の周囲でも、回収日前日から出されたままのゴミ類、車や自転車のシートカバーなど、放火犯が狙いやすい品々が多くあるものです。ちなみに、ここ数年間、八王子消防署管内で発生した火災原因のトップは「放火」となっています。
ところで、私が東京消防庁に勤務していた時の話になりますが、火災となった建物の室内外が、日頃から十分に整理整頓がされていなかったのではとよく感じたものです。居室や廊下に古新聞、古雑誌類が山積みとなった現場、台所の流しに洗わないままの食器類が大量に残された現場、家の周囲の植栽やゴミ置き場も荒れ放題といった現場など、時に消防活動のため室内に進入する消防隊員が足をとられかねない状況もありました。先日(2月8日)、所沢市内で発生した超高層マンション(火元は15階)の火災でも、室内がかなり乱雑になっていたため、消火活動に長時間を要した旨の報道がされていました。こうしたこととは逆に、日頃からきちんと整理整頓されていると思われる住宅や職場からの火災というものには、あまり遭遇することがありませんでした。
火災予防の基本は消火器などの消防設備を整えるだけではなく、普段から住宅や職場内外の整理整頓に心がけることにもあることを、あらためてご理解いただきたいと思います。日々気持ちの良い生活や仕事ができる環境を維持することが、まさに「火の用心の要諦」であるものと確信しています。
春先は暖かく、空気も乾燥し、強い風が吹く気候であり、一旦火災が発生すると延焼拡大しやすい時期となります。また、3、4月期は家庭や職場においては、引っ越しや仕事の変化などによって、人々の心が落ち着かず、つい注意が散漫となる季節でもありますので、「七国4丁目・自主防災会会員」の皆さんには、ご自分の目で住宅内外の安全を確認し、火災をはじめ交通事故、家庭内事故などの防止に取り組んでいただきたいと切に願うところです。
(自主防災会アドバイザー 秋山 惠)