11月28日(土)、好天に恵まれ「七国4丁目自主防災会」主催による防災訓練が「七国西公園」にて行われました。これまで、八王子消防署みなみ野消防出張所や東京消防庁立川防災館を利用した訓練は毎年行われてきましたが、七国4丁目内の公園を使った住民参加型の訓練は初めてのことでした。
役員の皆さんには、みなみ野消防出張所との打合せをはじめ、使用資器材の点検・整備、訓練会場への資器材の搬入と設営、給食訓練の食材や燃料の調達など、事前の準備が大変であったと思います。限られた人手の中での熱心な対応に心から感謝を申し上げたいと思います。
訓練につきましては、みなみ野消防出張所職員の皆さんによる指導のもと、煙体験ハウスでの煙中行動訓練、消火器による初期消火訓練、訓練用AEDを使用した救命訓練、そして道路上の消火栓へのスタンドパイプ設定訓練がグループごとに順次行われましたが、100人を超える住民の皆さんの参加を得て、1人の怪我人もなく無事終了することができました。寒い中、約半日にわたり訓練体験をされた住民の皆さんには本当にご苦労様でした。
多くの住民の皆さんのご参加と役員の方々のご尽力によって、訓練そのものは順調に終えることができましたが、初めての総合的な訓練ということもあり、いくつかの問題点や検討課題が見えてきたのも事実です。今後、より実効性のある地域の防災体制を築いていくという意味で、若干の提言をさせていただきたいと思います。
まず、訓練の数日前、自主防災会会員のご家庭に「黄色いはちまき」が配布されました。当日、訓練の実施と並行して役員数名が巡回し確認したところ、掲出率は4割程度であったとのことでした。このはちまきは、地震などの大規模災害発生時に各ご家庭・ご家族の安全を知らせる合図として、玄関ドア―などに表示をしていただくものです。もし、表示がない場合には自主防災会の役員らが安否確認に当たり、初動の支援、救助などに役立てるという目的がありますので、あらためてその意味をご理解のうえ、いざという時、速やかに活用できますよう、各ご家庭でしっかり保管していただきたいと思います。
また、訓練参加者につきましては、百数十人余りの皆さんに集まっていただきましたが、女性や子供さんの割合が多かったように思えます。都内各地で行われている防災訓練では、高齢者が参加者の多数を占めている現状にあることも事実です。この点、今回の訓練では若い方々の参加が多くみられ、非常に良い傾向であったと感じました。ただ、いささか残念であったのは若い男性や中学・高校生の姿が少なかったことでした。大規模災害に際しては、ご近所の若い方々の力が大きな頼りとなるものです。仕事や勉強などで防災訓練への参加が難しいといった事情も推察されますが、一度でも訓練を経験していただけるよう願うところです。今後、七国地域ではまだまだ人口が増えるものと予測されます。近年、日本各地では大地震の切迫性をはじめ、津波、風水害、竜巻など大きな自然災害の発生が危惧されています。こうした大規模災害は地域全体を巻き込んでしまい、人ごととして傍観してはいられないものなのです。働き盛りの男性や中学・高校生にも地域の防災に関心をもっていただき、是非手を貸していただければと思います。
今回の防災訓練は、地域ぐるみの訓練としては初めての試みでしたが、今後、七国4丁目地域の実情に即した防災対策の一層の向上を目指し、住民の皆さんの連携をさらに強固にしていく大きな一歩を感じることができた貴重な一日となりました。
(自主防災会アドバイザー 秋山 惠)