コラム

No.3 大雪一考 (2014.3.1)

先日の降雪は八王子市でも稀な大雪となりました。交通機関にも大きな影響が出て、通勤、通学をはじめ、受験生の皆さんなど、外出もままならない大変な数日間となりました。また、雪によるカーポートや車両の損壊が近隣でも見られましたが、被害に遭われたご家庭には、心からお見舞いを申し上げます。

しかしながら、大雪が止んだ直後、七国四丁目の皆さん挙げての道路除雪作業には、本当に感謝申し上げたいと思います。2月16日(日)午前中のほぼ半日で、四丁目区域では車1台が通行可能な道路幅を確保することができたのも、住民の皆さんの精力的な除雪作業があったればこそと、あらためて四丁目の皆さんの強い結束力に頭が下がる思いでした。

ところで、「天災は忘れたころにやってくる」という名言があります。これは、東大教授で物理学者・文学者の寺田寅彦氏(1878~1935)の言葉です。地震をはじめ、台風、大雨、竜巻、洪水、そしてこのたびの大雪など、まさにこのことわざ通りでした。これまで、八王子市は都内でも雪の多い地域ではありましたが、これほどの降雪は予測できませんでした。自然災害は人間の力では止めることができない、人間のもつ力を遥かに超えた現象ともいえます。そうしてみると、普段、私たちが唯一できることは、災害に気を許すことなく、その被害を少しでも軽減できるような準備をしたり、対策を講じておくことに尽きるのです。


よく「危機管理」(リスク・マネージメント)といわれますが、これは、不測の大規模災害、事故、事件等の発生に対処するための未然の体制づくりや政策のことを意味します。つまり、人間の力では防ぐことのできない自然災害や社会で起こり得る大事故、具体的にいえば、日常生活の中で人々が突如として見舞われかねない地震、台風等の大きな災害、あるいは大規模停電等に、予め非常用品、食料品、そして飲料水などを準備し、その被害を最小限度に抑えていくことを目指すのが危機管理であり、日常生活のうえでとても大切なこととなるのです。

危機管理の要諦は「最悪の事態に備えよ」といわれます。降雪時を考えた除雪への準備もそうですが、地震をはじめとする最悪の大規模災害に対処するための非常食や救助資機材など、所要の物品や装備の準備、そして、家族間での非常時の連絡方法の確認といった心の準備、すなわち、ハード・ソフト両面での備え(危機管理)が、いざという時のご家族、ご家庭の大きな救いとなると思います。地震、洪水などの大きな災害が発生した場合には、もちろん、地域の皆さん相互の協力、助け合い(共助)はもちろん大切ですが、まずはご自分の身の回りでできる、日頃からのご家庭の危機管理(自助)にも気を配っておきたいものですね。

 

(自主防災会アドバイザー 秋山 惠)