No.27 異常乾燥気象下の火災予防対策 (2019.1.30)

    2019年に入り、ほとんど雨が降らず異常な乾燥状態の天候が続いています。そのため、東京都内では連日のように火災が発生しており、焼死者の数も急増しています。1月30日現在、東京消防庁管内の火災件数は413件で、昨年同期に比較して45件の増加、焼損床面積は2,850㎡で651㎡の増加、火災によって亡くなった方は20人となり、10人の増加となっています。27日の未明には日野市落川の一般住宅で家族4人が亡くなるという痛ましい火災が発生しました。また、23日には埼玉県内で山火事が発生し、東京消防庁のヘリコプターをはじめ、近県の消防防災ヘリコプターによる消火活動が行われました。

 

 現在、東京都内では全域に「乾燥注意報」が発令されたままとなっており、わずかな火源であっても容易に延焼拡大しやすい気象状況となっています。こうした状況を踏まえ、各ご家庭におきましては、台所、浴室、各種暖房器具、電気設備などの防火安全チェックをはじめ、たばこの火の始末、外出時や就寝前の火の元の確認、さらには、放火防止のためゴミ袋、雑誌類などは回収日の朝に出すなど、きめ細かな火災予防対策をしていただきたいと思います。

 

 現在のように空気が乾燥している状況では、火災の拡大速度は極めて速く、隣棟へも容易に延焼拡大してしまいます。七国四丁目の皆さん全員が火災予防について意識を高め、火災による犠牲者などを決して出さないよう、あらためて注意しましょう。また、このように乾燥した天候のもとでは、たとえ火の付いたたばこ一本の投げ捨てでも大きな枯れ草火災や林野火災となってしまいます。七国四丁目周辺にはまだまだ枯れ草が生い茂った空き地や雑木林がありますので、特に喫煙される方々には吸いかけのたばこの投げ捨てなど絶対にしないよう、厳に注意してください。

 

 火災は泥棒、空き巣などの犯罪による被害とは異なり、人の命をはじめ、家屋・財産、そしてご家族の思い出までも、皆さんのもとから瞬時に奪ってしまいます。火災の怖さをあらためてご理解いただき、日頃からご家庭内の火の元チェックや家庭用消火器、消火用バケツなどの初期消火用具の常備についても心がけてください。

 

    七国四丁目自主防災会・アドバイザー  秋山 惠(東京消防庁OB、消防大学校客員教授)