コラム

No.11 「防災の日」に思うこと (2015.8.21)

 92年前の9月1日、相模湾沖80キロを震源とする「関東大震災(M7.9)」が発生しました。当時、東京、神奈川を中心に甚大な被害が発生し、10万人を超える人々が死亡、行方不明となりました。この時の被害の内容は、昨年8月19日付けの「コラムNo.6」に詳しく記しておりますので是非ご覧ください。
 また、9月は日本列島へ多くの台風が襲来する時期でもあります。最近の台風は大型化し、猛烈な暴風雨による大きな被害が出ています。さらに、今年は連日の猛暑による大規模な積乱雲の発生に伴う集中豪雨、突風、そして竜巻など、かつての日本ではあまり目にすることがなかった自然災害が頻繁に起こるようになりました。その上、全国各地での火山噴火、4年を経過した「東日本大震災」の余震ともいわれる地震もたびたび報じられています。


 こうした自然災害は、地球規模での温暖化など自然環境の変化や地殻変動に起因するものであり、当然に人間の力では止めることができませんが、自然災害に関する皆さんの知識や関心の高さ、日頃からの気象情報への注視などによって、その被害を少しなりとも抑えることができるものと考えます。具体的には、インターネットの活用による情報収集をはじめ、市町村から出される情報、各種の報道などに細かく耳を傾けながら、早めの情報を得て早期の避難行動や被害の防止・軽減対策に手を打っていくことが大切だと思います。


 また、一人ひとりのことだけではなく、隣近所との情報の共有化を進め、高齢者や体の不自由な方、年少者たちへ日頃から関心を向けることによって、いざという時にお互いに協力して災害に立ち向かえる力(共助)になるものと考えます。


 「七国四丁目自主防災会」では、一歩一歩、地域の安全を高めていく努力をしています。まだまだ完璧とはいえませんが、今後の地域の皆さんの後押しが一番の原動力になるものと思います。秋には防災訓練、防災館体験学習などの諸行事が計画されていますので、地域の皆さんには一度でも参加していただき、防災の大切さやそのポイントをご家族で考えてみる機会とされてはいかがでしょうか。

 

 かつて、物理学者の寺田寅彦氏(1878~1935)は「天災は忘れた頃にやってくる」との警句を残されましたが、皆さんの「防災の輪」を一層広げ充実していくことによって、災害のことを常々忘れることなく、地域ぐるみでその準備を怠らない、「安全・安心な七国四丁目」を築いていきたいものだと、9月1日・「防災の日」を前に切に願うところです。


(自主防災会アドバイザー 秋山 惠)